2024年7月3日に、1万円、5千円、千円の3券種が改刷されましたが、キャッシュレス決済の普及により、20年前と比較して新紙幣に入れ替わるスピード遅いようです。したがって、旧紙幣も活躍しています。
現在の千円札の肖像は北里柴三郎ですが、一つ前は野口英世でした。
福島県に生まれた野口清作は、幼いころに火傷を負い、その後知り合いの援助で受けた手術を経験したことから医学の道を志すようになりました。ナポレオンの生き方を信奉し、済生学舎に学び、医師免許を取ります。その後、北里柴三郎の伝染病研究所の助手補になり、自分の描く立身出世の階段を一つ一つ上っていきました。そのころ、坪内逍遥が書いた小説「一読三歎当世書生気質(いちどくさんたんとうせいしょせいかたぎ)」が話題になっていました。それまでの勧善懲悪を否定した、当時の学生風俗が写実的に描かれていて、その中の登場人物の一人に、野々口精作という、優秀な医学生でありながら酒と女におぼれて堕落していく青年が描かれていました。この小説を読んだ野口清作は改名を決意します。あまりにも自分と共通点が多く、モデルとして描かれたと世間の人に思われることを嫌ったのではないかとも言われています。当時改名することはかなり大変だったようですが、その煩わしい手間をかけてまでも改名をしたことに相当な執着があったものと思われます。新しい名前は、「英雄」と「世界」という将来の目標を掲げる言葉から、「英世」と自ら名付けました。
時々出会う野口英世の旧千円札を裏から透かして見ると、「もう一つの顔」が浮かんくるかもしれません。日本の近代医学に大きな足跡を残した活躍はプライスレスです。「お金で買えない価値がある」
野口英世が勤務していた旧長濱検疫所の「一号停留所」が長浜から海の公園に移築・復元されました。(公開日は未定)
(参考資料「東京都北区立堀船中学校~校長室から」「国立印刷局~新しい日本銀行券特設サイト」)
野口英世 – すまい造りの佐野工務店 | 横須賀市追浜の工務店
旧長濱検疫所一号停留所 – すまい造りの佐野工務店 | 横須賀市追浜の工務店
第66号 2007年9月号 – すまい造りの佐野工務店 | 横須賀市追浜の工務店