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よこすか文学館

わんぱく天国

よこすか文学館<115>

横須賀が登場する文芸作品(マンガも含む)や横須賀に縁のある文学者を紹介します。

昭和10年代の、横須賀を舞台とした少年小説です。逸見小学校3年生のカオル(加藤馨)が主人公。逸見小学校の子どもは、「柿ノ谷(かきのやと)」と「西吉倉」という地域のグループに分かれて対立しており、それぞれガキ大将が統率しています。しかし、対抗意識を持ちつつも共同作業をしたり、一緒に遊んだりもします。めんこ、凧作り、一銭飛行機、母艦水雷など、昭和戦前期の安針塚周辺の少年たちの遊びが生き生きと描かれています。佐藤さとる(1928~2017)は横須賀生まれの児童文学者。1959年に自費出版された『だれも知らない小さな国』が、同年に講談社から出版され、毎日出版文化賞などを受賞しました。このファンタジー小説は、佐藤さとるの代表作であり、全6巻書き続けられることになる「コロボックル物語シリーズ」の第1作です。

(洗足学園中学高等学校教諭 中島正二)