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よこすか文学館

第三話「後三年の役」の三浦一族

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横須賀ゆかりの武士といえば、やはり三浦一族。桓武平氏流のこの一族が、文学作品のなかで最初に記述されるのは、平安時代末期の「後三年の役」(1083~87)を描いた『後三年合戦絵詞』のようで、「三浦の平太郎為次」として三浦為次(継)が登場します。源義家率いる政府軍の「聞こえ高き者(著名な武士)」としての参戦ですが、戦友の鎌倉権五郎景正が目を射られて倒れたので、顔を足で踏みながら矢を抜いてあげようとしたところ、「武士の顔を踏むな!」と激怒され、それで丁寧に抜いたというエピソードが語られるのみです。この三浦為次の2代後の三浦大介義明が『平家物語』に登場します。

(洗足学園中学高校教諭 中島正二)