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よこすか文学館

第七話 三浦一族の滅亡

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横須賀ゆかりの武家三浦一族は、三浦義同(法名「道寸」)・義意父子のときに、北条早雲に滅ぼされます。当時の三浦氏は相模国中央に進出していましたが、岡崎城(平塚市)、ついで住吉城(逗子市)を攻撃されます。『北条五代記』によれば、北条勢は「小坪、秋屋(谷)、長坂、黒石、佐原山」を越えて追撃し、三浦父子は雑兵たちと新井城(三浦市)に籠城します。結局、父子は自刃しますが、義同は辞世の歌「討つ者も討たるる者も土器よ砕けて後はもとのつちくれ(討つ者も討たれる者も土器のようなものだ。死んでしまえば、結局はもとの土に戻るのだ)」を残し文武両道に秀でた武士であったことが偲ばれます。

(洗足学園中学高校教諭 中島正二)