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よこすか文学館

第一回(横須賀詠歌1)

よこすか文学館<13>

横須賀に生まれ育ち、広島の海軍兵学校で終戦を迎え、その後、短歌の道に精進し、数々の作品を残した島田修二についてご紹介します。

横須賀の丘に吹く風
いちにんのいのちの重み
世界に告げよ

島田修二

掲出歌は中央公園にある歌碑です。横須賀に生まれ、歌壇を代表する1人であった島田修二は、歌碑用の歌の作成を依頼され、2004 年(平成16年)1月、自身が主宰する歌誌『草木』の会員たちとこの丘を実際に訪れて、想を練ったそうです。「いちにんのいのちの重み」という柔らかな表現と「丘に吹く風」のイメージとが相俟(あいま)って清澄な調べの歌となっています。しかし、島田は、この年の11月の歌碑の除幕式を前にした9月12日に亡くなります。享年76でした。

(洗足学園中学高校教諭 中島正二)