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よこすか文学館

四月の俳句

よこすか文学館<40>

横須賀に生まれ育ち、高浜虚子の俳句理念を継承し、現在も活動を続けている俳人高田風人子の作品をご紹介します。

我が好きな 浦賀古道 初桜   高田風人子

第4句集『四季の巡りに』(2016年)所収。「浦賀古道(うらがふるみち)」は一般的には「浦賀道(うらがどう)」。江戸時代、江戸湾防備のために奉行所が置かれた浦賀と江戸と結んだ道です。東海道の「保土ヶ谷宿」から入る東ルートと「戸塚宿」から西ルートがあり、大津で合流しました。浦賀で生まれ育った作者にはこの浦賀道はリラックスできる身近な散歩道でもあるのでしょう。そこに、春、初めて咲いた桜を見つけた喜びを表現した句です。

(洗足学園中学高校教諭 中島正二)