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よこすか文学館

「血族」山口瞳

よこすか文学館<77>

横須賀が登場する文芸作品(マンガも含む)や横須賀に縁のある文学者を紹介します。

『血族』山口瞳(文春文庫)

直木賞作家山口瞳(1926-1995)が自分の母の秘められた過去を解き明かす、推理小説の趣のある作品です。著者の母静子は美人で芸事を愛する、天衣無縫なところもある人で、彼女を慕って、「長唄や日本舞踊の師匠、出入りの職人、小学校の教師、父の工場の職工、プロ野球の選手、いまで言うタレントたち…」が出入りしていました。ただ過去については多くを隠したまま亡くなりました。著者は母の死後、母と一族の秘密を調べていくのですが、調査の中心となるのは、父母の出身地横須賀です。父は横須賀中学(現横須賀高校)、静子は横須賀高女(横須賀大津高校)卒です。そして大滝町や柏木田にあった遊郭とのかかわりが明らかになります。

(洗足学園中学高等学校教諭 中島正二)