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旧伊藤博文金沢別邸

野島海岸の北側に広がる松林の中に、初代総理大臣・伊藤博文が、明治憲法を創設した後に過ごした別荘があります。

茅葺屋根の田舎風意匠をもった旧伊藤博文金沢別邸は、明治31(1898) 年に建築されました。現存する客間棟、居間棟、台所棟の3棟の他に、創建当初は、玄関棟、湯殿棟の合計5棟で構成されていました。伊藤博文の没後も、伊藤家一族が財産を引継ぎ所有していましたが、昭和17(1942) 年に、㈱日産に売却され、邸昭和23(1948) 年から㈱日産火災健康保険組合の保養所として使用された後、昭和34(1959)年に横浜市が買い取り、今日に至るという変遷を辿っています。

明治期別邸建築の様相が残る客間棟、居間棟等の主要部分に大きな改変がないことから、平成18年11月1日に横浜市指定有形文化財に指定され、復元工事が完了し、一般公開されました。今まで使われてきた部材を補修しながら再利用した旧伊藤博文金沢別邸建物内部をはじめ、新しく造営された牡丹園など、自由に見学することができます。野島海岸の北側に広がる松林にひっそりと佇んでいます。