10月27日(月)、追浜地区の建設業を中心としてスタートした異業種の勉強会「MS研究会」の第530回10月例会の講師として、横須賀市自然・人文博物館の学芸員の柴田健一郎様をお招きして、「三浦半島の地質と活断層」と題して、約50万年前に土地の隆起によって陸地となった三浦半島の生命の歴史や地層や岩石、化石を研究することで明らかになった地球温暖化や環境問題についての講演会が開催されました。
会場は追浜コミュニティセンター4階会議室で、参加者は11名(会員11名ゲスト0名)でした。
当会では、横須賀市自然・人文博物館の学芸員による講演としては、建築史学ご担当の菊地勝広氏、植物学ご担当の山本薫氏、民俗学ご担当の瀬川渉氏、海洋生物ご担当の萩原清司氏に引き続き5人目となりました。
前半は、三浦半島の地質について、三浦半島がどのように形成されていったかを解説いただきました。特徴として(1)三浦半島は凝灰岩や泥岩といった伊豆小笠原の火山の堆積岩からできていること。(2)5,000万年前から1,800万年前の新生代の地層であること。(3)シロウリガイ類の化石(深海の堆積物)が発見されることから地層は深海でつくられたこと。(4)付加体といった地質体で形成されたこと。
後半は、三浦半島にある活断層(北断層群の衣笠断層、北武断層、武山断層、南断層群の南下浦断層、引橋断層)のそれぞれの位置と過去のデータからみる地震発生率について解説していただきました。
仮に三浦半島断層群の活動による地震が起きた場合、ずれの量は2m、マグニチュード7.0程度、最大震度6強と想定され、特に野比海岸に繋がる北武断層は地震発生率が高いことがわかりました。
とてもわかりやすく解説いただきました。三浦半島で暮らしている以上、常に「いざ」というときに備えなければならないと感じました。
尚、最後に1973年に開館された「横須賀市自然・人文博物館」のリニューアル計画についてお話しを伺いました。まだ、企画の段階ではありますが、とても夢のある体感型の博物館になりそうです。
※「MS研究会」は、昭和51年(1976年)8月26日、追浜地区の建設業を中心とする異業種の勉強会「MS住宅研究会」として発足しました。平成16年(2004年)8月26日、更なる発展のため名称を「MS研究会」と改め、横須賀で活躍する経営者などが加入し、発足以来、共栄の限りない追究を目的として、講演会や視察会などを原則として毎月26日に開催し研修を重ねています。現在会員14名で活動しています。令和5年2月23日に第500回記念特別行事を開催し、令和7年8月26日にささやかながら50周年を祝いました。
MS とは MODERN SYSTEM(モダンシステム)の略。
