よこすか文学館
進藤一考特集
よこすか文学館<123>

横須賀で生まれ育った俳人進藤一考(しんどう・いっこう、1929-1999)の作品を紹介します。
三月や猫と市電が海へゆく
第1句集『斧のごとく』(1982年)収載。『進藤一考集』の自註によれば、北陸高岡市での光景で「猫と市電が同じ速度で同じ方向へ行く。ユーモラスだった。」と解説しています。ところで、この作品世界の猫は、好物の魚を求めて漁港へ向かうのでしょうか。あるいは、春の猫といえば、「猫の恋」が季題ともなっていますので、恋の相手を探し求めているのでしょうか。いずれにせよ、絵本の挿画のような、ファンタジーの1シーンのような句です。
(洗足学園中学高等学校教諭 中島正二)