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ノンカテ

てぶくろ

雪が降る森の中を小犬と一緒に歩いていたおじいさんが、片方の手袋を落としてしまいました。

しばらくすると、その手袋にネズミが潜り込んで、暮らし始めました。そこへ、カエルがやって来て「わたしも入れて」と頼むと、ネズミが「どうぞ」と言って、一緒に住み始めました。すると、今度は、ウサギがやって来て「僕も入れて」と頼むと、ネズミとカエルは「どうぞ」と言って、一緒に住み始めました。

そのあとからも、キツネ、オオカミ、イノシシ、クマと次から次へとやって来て、手袋の中で暮らす動物たちに頼んで、ぎゅうぎゅうになりながら一緒に住み始めました。

一方、森の中を小犬と一緒に歩いていたおじいさんは、片方の手袋を落としたことに気がついて探し始めました。すると、小犬がおじいさんより一足早くむくむくと動く手袋を見つけて「ワン、ワン、ワン」と吠えたてました。すると、動物たちはびっくりして、手袋から這い出して、森のあちこちに逃げて行きました。そこへ、おじいさんがやって来て、手袋を拾いました。

(参考資料「ウクライナ民話てぶくろ」(絵)エウゲーニー・M・ラチョフ(訳)うちだ りさこ)