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よこすか文学館

第六回(家族詠歌1)

よこすか文学館<18>

足を病む汝が三輪車の影曳きて
かく美しき落日に遭ふ

島田修二

第一歌集『花火の星』(1963年)所収。年譜によれば、島田の長男が誕生したのは昭和33年(1958年)で翌年に両足に障害があることがわかりました。島田には長男を詠んだ歌が多数あり、この歌はその代表作。自分でこぐことはできないけれども、お父さんに三輪車に乗せてもらい押されて前に進むのがうれしくて満面の笑みを浮かべる幼児と、優しく見つめる父親を夕陽が照らしている光景が想像される歌ですが、少し離れた視線で「影曳きて」と詠んでいるのが絶妙。

(洗足学園中学高校教諭 中島正二)