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よこすか文学館

「草迷宮」泉鏡花

よこすか文学館<81>

横須賀が登場する文芸作品(マンガも含む)や横須賀に縁のある文学者を紹介します。

『草迷宮』泉鏡花(岩波文庫)

泉鏡花(1873-1939)が明治41年(1908)に出版した中編の幻想小説です。小次郎法師が旅の途中で、秋谷海岸を通った時、茶店の婆さんから、地元の長者鶴谷家で去年5名が死んだという事件を聞きます。法師は婆さんからお経をあげるように頼まれ、鶴谷家別宅に赴きます。実はそこには若い書生葉越明が逗留していました。彼は九州の小倉出身なのですが、幼児のときに亡くなった母が歌ってくれた手毬歌が聞きたくて、5年前から歌を求める放浪の旅を続けており、この地にたどり着きました。様々な怪異現象が起こり、夢と現実が混じりあった不思議な小説です。なお、秋谷には「泉鏡花文学碑」があり、『草迷宮』の一節が刻まれています。

(洗足学園中学高等学校教諭 中島正二)